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平成29年(2017年)9月30日更新

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人形に気持ちを乗せて
東京都伝統工芸士(江戸木目込人形) 松崎光正(まつざきみつまさ)さん(平成17年度受賞)

ふっくらとして愛らしい頬とつぶらな瞳。目が合えば、その愛くるしさに心をつかまれる。松崎光正さんが作る人形は、多彩な表情をもち、贈る子供に似た顔を探す人も多い。
松崎さんの工房は、人形の胴体に溝を彫り、そこに布地を埋め込んで衣装を着せる「江戸木目込人形」と、仕立てた衣装を胴体に着せて作る「江戸衣裳着(いしょうぎ)人形」の両方を手がける。
三代目として家業を継いだのは、日本人形にとって逆風の時代だった。選んだ道は、今までになかった表情豊かな人形へと、現代に合った形に進化させていくこと。その挑戦が突破口となり、新たな松崎人形が生まれた。
心がけていることは「妥協しないで自分が信じた通りに作ること。気持ちが入らない人形には力がない」と松崎さん。「人形はものであってものでない。気持ちをやりとりするもの」と熱いまなざしで語る。孫の成長を願って、上京する娘を案じてなど、人形を贈る背景はさまざま。そんな贈り主の思いを人形に託して、持ち主の人生にそっと寄り添うものづくりを目指す。
デザイナーと共同での新商品の開発や11月に東京都で開催される伝統的工芸品月間国民会議全国大会における海外企業とのビジネス交流など、新しい分野にも積極的に挑戦している。伝統工芸の新たな可能性を開拓し続けながら、人と人とをつなぐ人形づくりへの情熱が、尽きることはない。

■東京マイスターWEBサイト http://www.meister-award.metro.tokyo.jp/

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「人形の表情は作り手の内面が出るので、とことん考える」と松崎さん。

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