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平成31年(2019年)1月1日更新

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次世代に、技術の継承着々と
造園工 佐藤博(さとうひろし)さん(平成26年度受賞)

「造園は、地球温暖化の防止にも役立つ仕事。小さな力でも、集まれば大きな力になる」。これは、造園工として庭の創造、伝統の継承に尽力する佐藤博さんが、実技の授業を受け持つ都立高校の生徒たちに伝えている言葉だ。
佐藤さんが造園業の道に入ったのは約50年前。造園の仕事は多岐にわたる。一つ目は庭の設計。施主に設計図を求められ、「図面は頭の中にあるから任せとけ」と言えたのは父親の時代まで。今は、設計図はもちろん、その土地に合った植物の提案もできるよう、若手のうちから多くの知識を身につける。
次に施工。図面に基づいて、空間を立ち上げていく。最後に管理。実は、最も難しく、重要なのが、この工程だ。「はじめは『8割の庭』を作ります。そして、樹木などが成長し、3年後に理想の形になるよう手入れをする。管理次第で、庭は良くも悪くもなるのです」。
仕上がりに関しても、こだわりがある。いかにも手を加えました、という体(てい)ではなく、自然さを残す。それを可能にするのが透かし(剪定(せんてい))であり、中でも佐藤さんが得意とする「江戸の梢透(こず)かし」は、高い技術が求められる。
「樹木の美しさを引き立てるため、柔らかく枝を透かし、風が吹くと葉先がなびくよう工夫して剪定しています」。素人目にはその違いは分からないかもしれない。が、佐藤さんは言う。「造園とは、わずかな違いに美を感じる仕事です」。
自身が培った技術を多くの人に伝え、その成長を見守ることが喜びだとも。「AIによって仕事の形が変化する中、造園業は人工知能が入り込む余地のない職業」だと言う。「なぜなら、材料も仕事も同じものが存在しないから」。佐藤さんの技と心は、教え子らに届いているはずだ。

■東京マイスターWEBサイト

佐藤氏の写真
「最近はハーブや花も植える。むしろ、花に目覚めた」と笑う

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