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都政レポート  2019年5月31日  下水道局

東京都流域下水道50周年記念式典の開催

記念式典の様子

記念式典の様子

挨拶する小池都知事

挨拶する小池都知事

下水道局は、昭和44年4月1日に流域下水道本部の前身である多摩川流域下水道建設事務所を設置し、多摩地域の快適な生活環境と良好な水環境の実現を図るため、流域の市町村と連携して、下水道施設の整備を進めてきました。今年50周年を迎えたのを記念し、5月28日、府中市バルトホールにおいて、「東京都流域下水道50周年記念式典」が開催されました。
式典で挨拶した小池都知事は、「昭和30年代を振り返ると、当時は高度成長期であり、多摩川は『死の川』と呼ばれ、水質汚濁が進んでいた。その解決のために、都は流域下水道の制度を導入し、下水道の設備を推進し、結果、多摩地域の下水道普及率99パーセントを達成した。多摩川にアユが戻ってきたということが、いかに多摩川の水質が向上しているかを証明しているのではないだろうか。一方で、インフラの老朽化と予期せぬ自然災害もあり、セーフシティとして様々な備えが課題となっている。国、市町村と、連携を一層深めて、新たな技術を採り入れることで、流域の下水道を更に進化させていくことが、環境先進都市東京の持続的な発信につながると確信している」と述べました。
第2部は、俳優の中本賢さんの講演と、パネルディスカッションが行われました。中本さんは、お子さんの誕生を機に、多摩川で遊び始め、次第に多摩川の生物や環境に興味を持ち、現在は環境に関する活動も行っています。講演では、「50年前の多摩川は、現代の世界の幾つかの(水質汚濁などの)川の姿に似ている。多摩川は、未来の世界を語る場所だ。2000年代に入って下水の高度処理化が始まると、川底の石の水アカが不思議と見られなくなり、きれいな石にアユが産卵するようになった。平成24年には、1194万尾のアユの生息が確認されている。河口の干潟は、シジミやハマグリが暮らせる環境となった。下水道事業への予算と市民の理解が、次の50年を創る」と話しました。

講演する中本さん1

講演する中本さん2

講演する中本さん

一方、パネルディスカッションでは、東京都市大学の小堀洋美特別教授、みずとみどり研究会の佐山公一事務局長、「東京地下ラボby東京都下水道局」プロジェクト優秀作品に選ばれた武蔵野美術大学の石井さん、船越さんが登壇しました。佐山さんは、「下水道の普及率は99パーセントとなったが、泡を立てて外で洗車をしたらその水がどこに流れていくのかなということを知ると、河川への負荷が軽減されるのではないかと思う。市民が求める川は、『美味しい魚が捕れる川』と言えるのでは」と話しました。次の50年に向けて取り組むべき課題として、技術を高めることと共に、下水道事業への地域住民の理解を更に深め、若い世代にも伝えること、情報発信力の強化が必要との意見が交わされました。

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