WEB広報東京都[平成22年3月号]
水道橋博士が語る東京の魅力 はかせのはなし

平成22年2月28日更新

「ボードゲームはやめられない」
水道橋博士(浅草キッド)

写真
 昨今、子育て中の家庭ではどこでも問題になる話にTVゲーム問題があります。何時買い与えるか、何時間やらせるか、そしてソフトの選択などなど、何処の家でも日々、家族会議は続いているはずです。6歳、3歳、1歳の幼児が3人いる我が家も長年この問題は議論の火種です。ちなみに僕は容認派、カミさんは否定派です。僕はRPGも男の子なら冒険ファンタジーの擬似体験であると主張します。一方カミさんは、「子供は外で遊ぶべき、刺激が強すぎる、携帯型は子供が一人遊びになり過ぎる」などのごもっともな正論で対抗してきます。最終的に子育てに於(お)いては「カミさん主権」の我が家では、限定的解除の状態のまま、カミさんの留守に息子と二人で隠れゲームをやっている始末でした。
 さて、そんな我が家のゲーム論争がふりだしに戻る日が訪れました。
 芸人仲間の伊集院光くんに勧められ、先日、地元・高円寺駅前の『すごろくや』に子供を連れて訪れました。このお店は海外や国内の名作、最新作ボードゲーム・カードゲームのお店です。小さな店舗に2歳児から用の300種以上各国の色とりどりゲームに目を見張ります。しかも全(すべ)て日本語の解説文つきです。なかにはオリジナルのルール説明DVDも付属しているものもあります。もともと、店長さんは、テレビゲーム開発会社勤務で、数年前に、どんどん一人遊び化していくテレビゲームに限界を感じ、一念発起、お店を4年前に立ち上げたのだそうです。当時のボードゲーム店は大人向きのマニアックな存在で、そんな状況を打破するために、説明書を添付したり、大人だけでなく子供たちとの共生を思いついたようです。

 実際、お店の中央には2卓のゲーム卓が置かれ、子供馴(な)れした店員さんの親切丁寧な説明を聴きながら、就学前の幼児が卓を囲んで既にプレイ中でした。横から眺めていると初対面の子供たちでした。例えは悪いのですが、これはまるでフリーの雀荘(じゃんそう)です。すぐに我が家の子供たちも参加。歳相応のボードゲームをいくつか紹介され、その場でプレイしました。僕自身も、すっかり忘れていた『人生ゲーム』に夢中になった日々を思い出しました。まるで『人生ゲーム』の駒である青い車に子供が生まれた証の小さなピンを差したままコマを進めて、いつの間にか、この『すごろくや』の升目に止まったような一日でした。
 そして今では連日、伊集院くん一押しの『ワードバスケット』に家族中が夢中です。このゲームは、箱の中にあるカードの文字で始まり、自分の持っているカードの文字で終わる3文字以上の言葉を考え、思いついたらその言葉を言いながら該当するカードを箱の中に投げ入れ一抜けを競うという変形しりとりゲームです。とにかく語彙(ごい)力のあるはずの大人の方がより脳が老化しているのか、子供に負ける回数が確実に多いようです。我が家も例外ではありません。一番驚いたのは「の」はじまり「す」終わりの手札で、子供に「のうさつぽーず」と言う言葉を決められた時です。そんな言葉を教育上、子供が知っているわけがないと釈然としなかったのですが、NHK教育の『ぜんまいざむらい』のキャラクター・おばばの必殺技なのだとか。
 しかし、こんなコンセプトのお店なら23区の駅前にボードゲームの升目のようにお店を作って欲しいほどです。(各区の児童館にも!)とにかく、このゲーム、遊んでいてもカミさんの機嫌が良いのがなによりなのです。