WEB広報東京都[平成28年2月号]
東京マイスター

平成28年1月31日更新

めっきには想像力が重要。
一級めっき技能士 中田充彦(なかたみつよし)さん(平成21年受賞)

  めっき歴40年の中田充彦さん。クロムめっきには、機能的クロムめっきと装飾的クロムめっきがあり、中田さんは主に装飾的なクロムめっきを扱う。装飾めっきは、防錆(ぼうせい)機能に加え外観や均一性が求められる。
 形状の複雑な製品のめっき厚を均一にする高い技術力の持ち主の中田さん。「めっきは化学的・設備的・電気的の3つの要素が決め手。さまざまな状況を想定し、想像力を働かせ、3要素がマッチしたとき自分が思ったような結果が出る。それが一番の喜び」と語る。
 課題だった六価クロムから、環境に配慮した三価クロムめっきの導入にいち早く取り掛かった。薬品メーカーと密に連絡を取り、自分の工場に合わせて化学的な不具合点を改良。その上で電圧のかけ方など電気的な工夫や治具の使い方など設備的な工夫を加え、10年以上かけて進めた。
 現場の経験を生かし、高等職業訓練校のめっき授業講師として、後進の指導・育成にも貢献している。若い人たちから「めっきのことで困ったらすぐに中田さんに聞け」と言われるほど、頼られる存在だ。
 量産型製品の海外発注が進む中、製品へのより高度なめっきが求められている。「お客さんの要求度は高いが、技術力をより高め、応えていきたい」。技術力の高さを武器に、生き残りを図っている。

写真
「製品の企画段階から積極的に関わっていきたい」と中田さん。

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