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平成29年(2017年)2月28日更新

東京マイスター

面白い仕事もあるんだ
一級建築塗装技能士 大澤賢一(おおさわけんいち)さん(平成28年度受賞)

建築塗装は、建物の内外の壁などを美しく仕上げ、劣化を防ぐ塗装を施す仕事。大澤賢一さんは、小学校3、4年の頃からこの道一筋の父親を手伝い、中学卒業後、すぐに丸の内界隈の仕事場で働き始めた。夜は高校、大学へと通いながら、いくつもの塗装会社を経験し、いろいろなやり方を教わり、建築塗装の基本をみっちり仕込まれたという。
塗りは、細かいところから大きいところへ、上から下へ行うこと。厚く塗ればいいものでもない、薄くすると使えないものもあるなど、材料に合わせた厚さで均一に、手際よく塗ることなどを学んだ。
職人歴50年を超え、新しく開発される材料や厳しくなる作業環境に対応するため、研究と努力を続けて、仕事が少しずつ進歩していくとそれが面白味となっていた。それでも、「未だに、すごくよくできたという仕事はない」と満足していない。
さらに「もっと面白い仕事もあるんだ」と、大澤さんは、「変わり塗り」に取り組んでいる。「変わり塗り」は、建築塗装のルーツの一つである漆塗りをほうふつさせる、表面が美しい光沢を発するものや、布やへちまを使って表面に意匠をこらしたものなど、さまざまなものがある。いつも施工されるものではないが、ロビーやエレベーターホールの壁などに使われている。
創作的な塗装で、「仕事のアクセントとして、伝えていくのが使命」と大澤さんはいう。通常使っている材料では一日一工程しかできないが、自動車用塗料を使って何工程も可能にするなどの工夫も重ね、後進へ技の継承に努めている。

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「はけは上手に使えば、早いし、何にでもきれいにできます」と大澤さん。

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