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平成29(2017)年11月30日更新

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妥協を許さず後世に残る仕事を
1級家具製作技能士(椅子張工) 種沢邦勝(たねざわくにかつ)さん(平成18年度受賞)

種沢邦勝さんが手がける椅子は、家庭用からホテルで使用されるものまで広範囲に及ぶ。その再生と新規製作が仕事。さらに近年は、デザイナーが描いた設計図から完成品を作るといった仕事も増えている。
「『うーん』とうなるようなデザインも多いから、常に挑戦と勉強が必要」。素材も革や布地、合皮など多種多様。シワが入らないように生地に切り込みを入れてまち針で止め、数種類のミシンを使い分けて縫製する。大切にしているのは、お客さんの要求に応えること。「日々、試行錯誤の連続」と話す。
秋田県で育った少年時代。手先が器用だった種沢さんは、創意工夫を凝らした模型飛行機を作ることに夢中になった。新橋の会社に椅子張工として就職してからは、その対象が椅子に変わった。「椅子を剥がすと、職人たちの仕事ぶりがわかる。凄い材料が使われていて驚くことも」。
昔は高級な椅子には馬の毛が使われていたが、最近はクッション性に優れたウレタンが主流。種沢さんは固さの異なるウレタンを重ねることで、最適な座り心地を実現する。どんな難しい依頼にも応える柔軟性は、新橋時代、迎賓館(げいひんかん)や宮内庁をはじめとする良い仕事に携わる機会を得たことが原点になっている。
今、種沢さんの会社では多くの若い世代が育つ。分業制にした方が生産性は上がるが、座部の肉付けから張りの工程まで、一人ですべて出来るように教えている。「仕事を覚えたら独立できるという目標を持って欲しい」。最高の椅子を作るため最善を尽くす。その思いは弟子たちにも受け継がれている。

■東京マイスターWEBサイト http://www.meister-award.metro.tokyo.jp/

写真
「自分が手がけたものだと自慢できる椅子を作っている」と話す種沢さん

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