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平成28年(2016年)7月31日更新

東京マイスター

夢を叶えるために。
一級建築大工技能士片岡茂樹さん(平成25年度受賞)

「全てに対して、職人らしくありたい」と、町屋大工の片岡茂樹さん。鉋(かんな)やのこぎりといった道具は誰よりも綺麗に手入れし、その歴史についての知識も奥深い。姿勢や格好、服装にも気を配り、特別にあつらえた藍染の腹掛けや、股引を着用して作業に臨む。
江戸小紋の型紙職人である父親の元で育ち、ものづくりを仕事にすることが“普通”という感覚を覚え、自身は大工になることを決意。高校を3か月で中退した後、すぐ工務店に入ってからは、基礎学力の重要さを痛感し、独学で数学を勉強。専門的な内容はひたすら師匠に聞いて回った。
木材に加工をするために目印をつける伝統的な墨付けの方法(規矩術(きくじゅつ))に熟達し、さしがね(L字型の定規)による従来の墨付け工法の欠点を修正した定規の考案・普及等も行った。現在は、東京建築カレッジで木造実習指導員も務める。
昔から、とにかく負けず嫌い。競技大会に参加し、自分より上手い人を見ては、投げ出すよりも、その悔しさでとことん技術を磨いた。30年以上のキャリアを経た今でも、「常に勉強して努力しないといけない」という精神を持ち続け、仕事へのエネルギーは衰えるところを知らない。
若者には、夢を持ってもらいたいとアドバイスする。「夢は叶う。夢に対しての準備をし、周りに話していると、自然と夢を叶えるための物事が近寄ってくる」と語る。自身の経験でも、昔の名人が作った稀代の道具や、面白い仕事が、次々に舞い込むことが良くあるという。
「息子を一人前の大工にすること、尊敬する師匠へ追いつくこと」―まだまだ、片岡さんにも夢がある。

東京マイスター
「木と木のハマり具合は、10年、20年先も耐えうるものであることが大事。」という片岡さん。

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